カテゴリ:山口ゆかりのアーティスト( 1 )

テキスタイルアーティストの巨匠 公文知洋子さん

現在ギャラリーナカノで開催中の『てご屋の手仕事展』に昨日行って来ました。
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かわいい裂織(さきおり)やフェルトの小物がいっぱい!!
時間も忘れて、あれやこれやと見入ってしまいました。
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今回の仕掛け人は、テキスタイルアーティストで裂織(さきおり)の権威 公文知洋子(くもんちよこ)さん。
山口市ご出身ですが、ここ40年は兵庫県西宮市にお住まいです。
兵庫県出身のbutakoにとって、親近感が沸きました。

公文さんの個展ではなく、彼女が監修している宇部市にある自立支援センター『てご屋』のメンバーが作った作品展&販売が、展覧会のメインとなっていました。

自立支援センターでは5年ほど前から、おもに知的障碍者を対象に、工芸班を結成。
現在は15名ほどの班員が、手仕事に励んでいます。

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昨日は、西宮からわざわざ公文さんがお越しになっていたので、ロベルトと一緒にお会いしました。

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奥のスペースには公文さんの作品もあり、拝見しました。
公文さんの裂き織りの世界は、見ている人を、不思議な感覚にいざないます。

裂織とは…
この技法についてしらないbutakoのために、丁寧に解説くださる公文さん。
もともと東北地方の技法で、貧しく糸や布がなかった時代、着古した服を裂いて細い帯状にして、経糸(たていと)と組み合わせて織ったもの。

藍染めを使うのが基本だったそうで、何年も着て洗い、布が薄い(向こうが透けるくらい)ものが、良いそうです。
藍染は、染め方や洗った回数によって、一枚一枚風合いが違います。
それが作品に反映されて美しいのです。

古布を使っているので、
「100年前に使われていた着物が、こうして作品として甦るのはスゴイことよね。100年という時をまとっているので、その時間も含めてのアートだと思います」
とおっしゃっていました。
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こちらの作品は、裂き織りをはじめて初期の頃のものだそうですが、
個展に出した際、男性画家の方たちの反響が多かったそう。
「茶系が好き」とおっしゃる公文さんの『好き』が詰まった作品なんですね。

そして最近の作品はこちら。
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(うまく撮れなかったので作品集の本からとりました)
国際的なコンクールにも入賞した彼女の世界観を表した技法です。

不規則に合わさったパーツは、裂き織り独特の風合いがうまく生かされています。
前に出っ張っているので、そのでこぼこ感が、作品の味になっています。
こちらは裂き織りの技法を一部使っていますが、
有機的な動きがあり、脳のシナプス(神経細胞)のようでもある。
しなやかな動きと大きく不ぞろいな網目ですが、エレガントさを感じます。

ときより混じる色も素敵だし、裂き織りの部分(黒く固まりのある所)の表現が、編みこまれる技法で、やはり独特に感じます。
裂き織りを使っての、新しい表現方法。
公文さんの真骨頂です。

公文さんが裂織を始めた80年代は、高度成長期が成熟し、バブルへと進む直前の時期。
当時、古着は捨てられていくのが当たり前の時代でした。
それを譲ったり買い受けたりし、裂き織りの作品へと昇華させていきました。
ただ、今までの裂織りのやり方では、表現できない技法があったので、独自に開発したりして、工夫を重ねました。

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子育てや旦那さんの世話の合間での作業でしたが、
「楽しくてしょうがなかった」
と当時を振り返ります。

現在は、秋吉台国際芸術村や、あさご芸術の森、ベルンでの展覧会など国内外の展覧会にお忙しくされています。
公文さんの見せてくれた裂織の世界…
とても不思議な感覚へといざなってくれました。

ギャラリーナカノでの展覧会
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裂織・フェルト てご屋のてしごと展 
賛助出品 公文知洋子 
2016年10月21日(金)-30日(日)
11:00-19:00(最終日18時) 定休 10月26日(水)

butako170


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by yamaguchi-sosei | 2016-10-23 08:44 | 山口ゆかりのアーティスト | Comments(0)